COLUMN
「高ストレス者」って、誰のことですか?
——会社が決めつけるものではありません
こんなお悩みはありませんか?
「ストレスチェックで『高ストレス者』が出たら、会社は何をすればいいの?」
「そもそも、誰が高ストレスだと決めるの?」
ストレスチェックの準備のお話をしていると、よく出てくる疑問です。今日は、ここだけ短くお伝えします。
選ぶのは、会社ではありません
「高ストレス者」は、社長や上司が「あの人は最近つらそうだから」と選ぶものではありません。
調査票の点数をもとに、ストレスチェックを実施した医師や保健師など(実施者)が選びます。
厚生労働省の指針には、選び方がこう書かれています。
① 調査票のうち、「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が高い者
② 調査票のうち、「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が一定以上の者であって、かつ、「職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目」及び「職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目」の評価点数の合計が著しく高い者」
【出典】平成27年5月1日 基発0501第7号「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」7(1)ウ(イ)
言いかえると、こうなります。
| 指針の言葉 | ふだんの言葉にすると |
|---|---|
| ① 自覚症状の点数が高い | 眠れない・疲れが抜けないなどが、強く出ている |
| ② 自覚症状が一定以上 かつ 原因と支援の点数が著しく高い | 症状もそれなりに出ていて、 仕事の負担が重く、相談できる人も少ない |
「何点から」という具体的な線は、実施者の意見を聞いたうえで、会社があらかじめ決めておくことになっています。
高ストレス者になったら、どうなるの?
ここがよく誤解されるところです。高ストレス者に選ばれても、それだけで会社に名前が伝わるわけではありません。
流れは、こうです。
| 順番 | 何が起きるか |
|---|---|
| ① | 結果が、本人に直接届く |
| ② | 実施者が「医師の面接を受けたほうがよい」と認める |
| ③ | 本人が希望して申し出たら、会社は医師の面接指導を行う |
法律には、こう書かれています。
【出典】労働安全衛生法 第66条の10第3項
つまり、面接を受けるかどうかはご本人が決めます。そして、申し出たことを理由に、評価を下げたり、不利な扱いをしたりしてはいけません。
中小企業の現場では
私は社労士になる前、7社で総務・人事をしてきました。
小さな会社ほど、社長と社員の距離が近いぶん、「誰が高ストレスだったのか」が気になってしまうものだと思います。
でも、ここで探しにいかないことが、いちばん大事なのだと感じています。
「結果は会社に知られない」と社員さんが信じられて、はじめて正直に答えてもらえる。
正直な答えが集まらないストレスチェックは、やっても意味が薄くなってしまいます。
体の面から見ると
ヨガのレッスンをしていると、気持ちのしんどさは、肩や首のこわばり、浅い呼吸、眠りの浅さといった「体のサイン」として先に出てくることが多いと感じます。
ご本人は「疲れているだけ」と思っていて、心の負担に気づいていないことも少なくありません。
ですから、会社にできるのは「高ストレス者を探すこと」ではなく、誰でも気軽に体をゆるめられる時間や場をつくっておくことだと思います。
昼休みに肩を回す、深呼吸を3回する。そんな小さな習慣でも、自分の体の声に気づくきっかけになります。
まとめ
- 高ストレス者は、調査票の点数をもとに実施者が選ぶ。会社が決めつけるものではない
- 医師の面接は、本人が申し出たときに会社が行う
- 申し出たことを理由に、不利益な扱いをしてはいけない
2028年4月からは、50人未満の会社でもストレスチェックが義務になります。
準備の進め方は、下の記事にまとめました。
※ 高ストレス者の具体的な点数の線や、面接指導の進め方は、会社のご事情によって変わります。個別のことは無料相談でお聞かせください。
「うちの会社だと、どう進めればいい?」も、30分の無料相談でお受けしています。
押し売りはいたしません。オンラインで完結します。