COLUMN

有給休暇を取った社員さんの「皆勤手当」、減らしてもいいの?
——精皆勤手当のよくある質問2つ

2026年10月31日|マミ社会保険労務士事務所(北九州)

こんなお悩みはありませんか?

「有給休暇を取った月は、皆勤手当を出さないことにしている」
「皆勤手当を入れれば、最低賃金は足りているはず」

どちらも、多くの会社で昔から続いているルールです。
でも、このままだと見直しが必要なことがあります。今日は、よくある質問を2つだけご紹介します。

Q1. 有給休暇を取った日を「欠勤」として、皆勤手当を減らしてもいい?

A. 年次有給休暇の取得を理由に減らすのは、避けてください。

労働基準法には、こう書かれています。

「使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。」

【出典】労働基準法 附則 第136条(e-Gov法令検索・ページ下部の附則にあります)(2026年10月31日確認)

国の通達では、精皆勤手当がはっきり名指しされています。

「精皆勤手当及び賞与の額の算定等に際して、年次有給休暇を取得した日を欠勤として、又は欠勤に準じて取り扱うことその他労働基準法上労働者の権利として認められている年次有給休暇の取得を抑制するすべての不利益な取扱いはしないようにしなければならないものであること。」

【出典】昭和63年1月1日 基発第1号・婦発第1号「改正労働基準法の施行について」(厚生労働省 法令等データベース)(2026年10月31日確認)

同じ通達では、これまでの国の考え方として、手当を減らす程度によっては「公序良俗に反するものとして民事上無効と解される場合もある」と考えられる、とも説明されています。
就業規則や賃金規程に「年次有給休暇も欠勤とみなす」と書いてあれば、早めに見直しておくと安心です。

なお、「それなら皆勤手当そのものをやめよう」という見直しは、社員さんにとって不利な変更になるため、別の注意が必要です。手当をなくす前に、ご相談ください。

Q2. 皆勤手当は、最低賃金の計算に入る?

A. 入りません。

福岡労働局も、「最低賃金には精皆勤手当、通勤手当、家族手当、時間外労働・休日労働等の割増賃金、賞与、臨時の賃金は算入されません」と案内しています(福岡労働局「福岡県の最低賃金」・2026年10月31日確認/根拠=最低賃金法 第4条第3項第三号)。

「基本給は低めでも、皆勤手当を足せば足りている」という組み方は、いちど確かめてみてください。入れない賃金はほかにもあります。くわしくは今週の記事にまとめています。

体の面から見ると

皆勤手当は「休まずに来てくれてありがとう」という、あたたかい気持ちから生まれた手当だと思います。

ただ、ヨガの講師として多くの方の体に向き合ってきて感じるのは、「手当が減るから」と、熱があっても無理して出てくる方がいるということです。
具合の悪い人が職場にいると、本人もつらく、まわりの方にもうつってしまうことがあります。

「休まないこと」だけでなく、「体を整えて、長く元気に働いてくれること」に報いる形はないか。手当のルールを見直すときに、いっしょに考えてみていただけたらうれしいです。

まとめ

① 年次有給休暇を取った日を欠勤あつかいにして、皆勤手当を減らすのは避ける(労働基準法 附則第136条)
② 皆勤手当は、最低賃金の計算には入らない
③ 就業規則・賃金規程の書き方を、いちど確かめておく

ここでご紹介したのは一般的な考え方です。病気やけがで休んだ日の扱いなど、会社ごとのルールによって判断が変わることがあります。くわしくはご相談ください。

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